研究課題/領域番号 |
20H01244
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
田尻 芳樹 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (20251746)
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研究分担者 |
秦 邦生 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (00459306)
佐藤 元状 慶應義塾大学, 法学部(日吉), 教授 (50433735)
吉田 恭子 立命館大学, 文学部, 教授 (90338244)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 英語圏文学 / 時間性 / モダニズム |
研究実績の概要 |
2021年度は前年度に引き続き、コロナ禍によって計画の大幅な変更を余儀なくされた。そんな状況の中で、オンラインを利用した研究活動をできる限り続行した。最大の実績は、これまで数年かけてメンバー四人で従事してきた翻訳、レベッカ・L・ウォルコウィッツ『生まれつき翻訳――世界文学時代の現代小説』(佐藤、吉田監訳)を2021年末に出版したことである。また同書の出版と連携するかたちで、吉田、佐藤は世界文学・語圏横断ネットワーク第 14 回研究集会にてパネル「世界文学再考――『生まれつき翻訳』のアクチュアリティ」を企画し、研究発表を行った。吉田は他に、Monique Truong著 The Sweetest Fruits翻訳にあたり、Lafcadio Hearnについて文献調査および松江訪問調査を行い、Hearnについての英語エッセーを執筆した。秦は、アーカイヴ資料を活用しつつ、カズオ・イシグロの第三小説『日の名残り』とその映画版に関する比較研究を行ない、2021年11月に刊行されたアダプテーション研究に関する論文集で活字化した。並行してイシグロの小説を「始まり」と「終わり」という観点から研究して12月に成城大学でオンライン講演をおこなった。2021年7月には河野龍也氏による「植民地を都市から読む――佐藤春夫「女誡扇綺譚」を中心に」というオンライン講演会を実施した。田尻はイシグロの新作Klara and the Sunに関する国際オンライン・シンポジウムで研究発表を行った。なお、2021年度予算の繰越分で吉田は2023年3月にオックスフォード大学アドリアナ・ジェイコブズ氏を日本に招聘し講演会を企画した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初、コロナ禍によって計画が大幅に遅れたが、その後の努力で挽回し、現在では概ね順調に進展していると評価できる。
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今後の研究の推進方策 |
特に大きな問題はなく、このまま、残りの時間でできるだけの研究成果を上げるべく努力する。
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