研究課題/領域番号 |
20H01260
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研究機関 | 釧路公立大学 |
研究代表者 |
永山 ゆかり 釧路公立大学, 経済学部, 准教授 (20419211)
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研究分担者 |
長崎 郁 名古屋大学, 人文学研究科, 特任講師 (70401445)
小野 智香子 北海学園大学, 工学部, 教授 (50466728)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 言語学 / シベリア先住民言語 / 古アジア諸語 / 記述言語学 / 方言 / 言語ドキュメンテーション |
研究実績の概要 |
本研究は、シベリア先住民言語であるコリヤーク語およびアリュートル語(チュクチ・カムチャッカ語族)、イテリメン語、ユカギール語の諸方言につき、①方言差の観点から見た既存資料の集積と整理、②言語研究に利用されていない資料の実態把握、③テキスト資料に基づく語彙 資料の抽出をおこなうことで、語彙資料を集積して比較語彙データベースを構築し、それらをもとに各方言の特徴と語彙レベルでの方言差を明らかにすることをめざしている。 2022年度は、前年度までに整えたオンラインによる研究体制により、コリヤーク語チャウチュ方言のテキスト資料の整理を進めた。また、前年度には実施できなかった海外現地調査を実施し、アリュートル語アリュートル方言およびカラガ方言、コリヤーク語ミキノ方言の未整理の音声資料について、母語話者の協力のもとにテキスト化した。また、電子化およびテキストデータベース化が終了している資料からの語彙データ抽出を進め、方言語彙データベースに新たな語彙資料を追加した。また、整理・分析の終了したコリヤーク語資料をロシア語対訳付きで、またユカギール語のアノテーション付きテキスト資料を出版した。さらに、本研究課題で整理・分析を進めてきたアリュートル語、ユカギール語、イテリメン語の資料をもとに文法研究を進め、研究成果を国内外の学会や学術雑誌で発表した。 このほか、海外での国際シンポジウム開催に向けて、現地研究協力者と調整を行なった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初計画では2022年8月に海外フィールド調査を実施する予定であったが、ロシアによるウクライナ侵攻の影響により、予定していた時期にロシアで海外フィールド調査を実施することができなかった。ロシア国外で新たな調査地を選定し、現地状況に関する情報収集を進め、改めて研究協力者と日程調整する必要が生じたことにより、海外フィールド調査を予定より半年遅い2023年2月に延期した。そのため現地調査後に実施する予定であったデータ分析作業の時間を十分にとることができなかった。また、同じく国際情勢の影響により、2022年度に予定していた国際シンポジウムを次年度に延期する必要が生じた。以上の理由から進捗はやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
遅れているデータの分析作業をすみやかに進める。今年度で整えた新たな調査地での海外フィールド調査実施体制により、次年度も海外現地調査でテキスト資料の整理を進め、研究成果を報告書にまとめて出版する。また、海外の研究者と連携をとりながら、延期していた国際シンポジウムを開催し、研究交流を行う。
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