研究課題
基盤研究(B)
収集し蓄積した博物館標本を学術研究および展示公開事業に活かすことは博物館の重要な課題である。博物館の多くの分野において標本の研究は形の研究に依存している。本研究では動物学、古生物学、考古学の分野を対象に、貝類、哺乳類、土器等の考古遺物を材料として、標本の形態に関する様々な研究事例を論文として公表した。形態形質は2次元のものから3次元のものまで様々な手法を組み合わせて解析した。また、形態進化の研究は分子系統解析と併せて行った。本研究で得られたデータは博物館の展示に使用し、展示手法の研究に用いた。本研究の成果は収蔵標本データベースに追加され、今後の新しい研究にも活用される。
博物館学
形の比較や分類は社会のあらゆる分野で行われている。収蔵標本を視覚的に分かりやすく見せる手法を研究する、あるいは研究の現場において行われている形に関する分析の事例を分かりやすく提示することは博物館の機能を高めるために重要である。本研究では、博物館の収蔵標本を実際の学術研究に使用し、その過程で蓄積されたデータを用いて展示公開事業を実践することに意義がある。