研究課題/領域番号 |
20H01391
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分04010:地理学関連
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
森永 由紀 明治大学, 商学部, 専任教授 (20200438)
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研究分担者 |
尾崎 孝宏 鹿児島大学, 法文教育学域法文学系, 教授 (00315392)
中山 二郎 九州大学, 農学研究院, 教授 (40217930)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 伝統的発酵食品 / アイラグ(クミス・発酵馬乳) / 腸内フローラ / モンゴル遊牧民 / 現代食侵襲 / 家畜福祉 / COVID-19 |
研究成果の概要 |
モンゴル遊牧民の腸内細菌/真菌叢の夏冬の比較解析より夏に多飲する伝統的発酵馬乳アイラグがそれらに及ぼす影響が明らかになった。牛革製の伝統的容器と近年多用されるプラスチック樽でそれぞれ発酵させたアイラグの菌叢を比較すると、前者では乳酸発酵のレベルが低く保たれ、菌の多様性の高さが際立っていた。 COVID-19のアイラグ摂取への影響の聞き取りでは製造地域と非製造地域、郊外と遠隔地でアイラグ評価や売却傾向には違いあるが、全体的には従来の傾向の維持・強化と評価でき、ローカルな文化変化は認められなかった。一方、労働力不足は顕著で各地域で経済的、あるいは文化的価値の高いものを優先的に残そうとしていた。
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自由記述の分野 |
自然地理学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
モンゴル遊牧民の間でも消えつつあるアイラグの伝統的製法の記録がすすんだ。また、アイラグの多量の摂取が腸内フローラに影響することや、発酵容器が伝統的牛革製か近年多用されるプラスチック製かによってアイラグの菌叢の多様性が変わることが明らかになった。これらにより、モンゴル遊牧民の食生活の近代化が、腸内フローラの変化を通じて健康にも影響を及ぼす可能性があることが示唆された。また、COVID-19のアイラグ摂取への影響の現地でのインタビューにより、伝統食の継承のされ方の一端が明らかになった。これらの成果により、アイラグの伝統的製法を継承していくことの意義が明確になり、継承のための道筋も見えてきた。
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