研究課題/領域番号 |
20H01470
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研究機関 | 聖学院大学 |
研究代表者 |
宮本 悟 聖学院大学, 政治経済学部, 教授 (70412137)
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研究分担者 |
本名 純 立命館大学, 国際関係学部, 教授 (10330010)
山根 健至 福岡女子大学, 国際文理学部, 准教授 (10522188)
池内 恵 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (40390702)
松田 康博 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (50511482)
中西 嘉宏 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 准教授 (80452366)
玉田 芳史 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (90197567)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 権威主義体制 / 強靭性 / 持続性 / 国際的ネットワーク / 北朝鮮 / 中国 / 東南アジア / 中東 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、北朝鮮が構築してきた権威主義体制の国際的なネットワークによって、「北朝鮮の体制への国際的な支持あるいは黙認がもたらされた」ことが、北朝鮮の権威主義体制の「強靭性・持続性」の原因であるという仮説の下に、北朝鮮と関係が深い中東・アフリカ、北東・東南アジア諸国に対する北朝鮮の貿易や経済進出などの現状を把握しながら、過去に遡って調査することである。 2020年度は、中東・アフリカ・東南アジア・モンゴル・極東ロシアなどでの資料収集を目的としていた。しかし、資料収取や研究調査は計画からは大幅に遅れることになった。研究代表者も研究分担者も計画していた海外調査を全く実施できなかった。原因は新型コロナウイルス感染症のパンデミックによって海外渡航が困難になったためである。調査対象国から資料を購入しようとしても、計画調査対象国でのロックダウンなどの防疫措置などによって、日本に輸送することもままならず、購入不可能な資料が多かった。 そこで、2020年度は、まず既存の資料を中心に情報を整理し、過去において調査対象国と北朝鮮がどのような関係を構築してきたのかを調べて、研究成果を発表することにした。その過程で、3名の研究協力者の協力を得て、研究実績を積むことができた。2020年度の最も重要な研究実績は、3名の研究協力者とともに、2021年1月9日に研究代表者と研究分担者が新潟において開催したシンポジウム「北朝鮮の経済と貿易」とその成果である『聖学院大学総合研究所紀要』である。シンポジウムは、実際に新潟の日航ホテルで開催したものをウェビナーでも配信した。その報告文やコメント文は、『聖学院大学総合研究所紀要』に特集として発行した。それらは聖学院学術情報発信システムSERVEからダウンロード可能なようにもしている。付け加えて、研究代表者と研究分担者が各々個人で発表した論文や口頭発表がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2020年度は中東・アフリカ・東南アジア・モンゴル・極東ロシアなどの調査が目的であった。しかし、現地調査はできなかったため、研究計画の進捗状況は遅れている。進捗状況が遅れている原因は、新型コロナウイルス感染症のパンデミックが予想をはるかに超えて長引いているために、海外での調査が全くできなかったことによる。本研究の最も重要な目的が海外での現地調査であるので、必然的に研究調査は遅れることになった。海外の資料購入も、現地がロックダウンしていたことによって、購入できないことが多かった。そのために、当初に計画していた通りには研究が進んでいない。新型コロナウイルス感染症のパンデミックが沈静化し、研究代表者や研究分担者が海外の現地に行けるようになって状況が改善されれば、後れを取り戻せると考えているが、現在なお見通しは不透明である。 2020年度は、研究計画を見直し、今までの研究成果をまとめて発表することに力を入れた。モンゴルや極東ロシアについては、それまでの研究をしてきた研究協力者の協力を得て、研究成果を出すことになった。残りの地域については、研究代表者と研究分担者が日本で調査できる範囲内での研究成果を出した。そのために、研究成果を前倒しで発表することになり、その意味では研究はむしろ進んだとは言える。とはいえ、海外での調査が可能であった場合を想定すると、研究計画そのものはかなり遅れていると言わざるを得ない。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症のパンデミックが収束に向かい、海外渡航による隔離措置が撤廃または縮小されれば、海外調査を始める予定である。そうすれば、後れを取り戻すことが可能になると思われる。ただし、地域によってかなりの差異が出てくることは否めない。各地域への現地調査は慎重に情勢判断して進めていくことにする。 2021年度に海外調査が不可能であった場合には、可能な限りの国内での研究調査に振り分けたうえで、研究成果を発表していきたいと考えている。その形式は、2020年度のようなシンポジウム、またはZOOMでの研究発表会を考えている。また、執筆にも時間を振り分けたいと考えている。
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