研究課題/領域番号 |
20H01508
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
宮崎 雅人 埼玉大学, 人文社会科学研究科, 准教授 (20553069)
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研究分担者 |
倉地 真太郎 明治大学, 政治経済学部, 専任講師 (60781078)
古市 将人 帝京大学, 経済学部, 准教授 (50611521)
安藤 道人 立教大学, 経済学部, 准教授 (10749162)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 都市財政 / 歳出歳入決算 / 政策効果 |
研究実績の概要 |
本研究は戦前の日本を対象とした都市財政研究の限界を踏まえ,公益財団法人後藤・安田記念東京都市研究所の市政専門図書館が所有する歴史的に大変貴重な都市歳入歳出決算書(以下、都市決算書)を用いることとしている。この都市決算書は1922(大正11)年度から1955(昭和30)年度頃までの各都市の歳入歳出決算を収録しており,他機関で所有するところはなく,「図書」ではないために国会図書館にも納められていない貴重な資料である。 2020年度においては,研究実施計画に基づき,市政専門図書館と外部業者の協力を得て,都市歳入歳出決算書のデジタル化を行った。デジタル化すべき資料は戦前分の約1400冊であるが,後述する理由から670冊についてのみデジタル化を行った。 デジタル化を行った都市決算書は1922年から1945年の24年間で37都市となった。しばしば都市決算書が市政専門図書館に存在していない欠損年もあったが,期間を通じて8割程度の都市をカバーすることができた。特に「地方税整理」(地方税制度の大幅な変更)が行われた1926・26年においては9割程度,地方分与税(本格的な財政調整制度)が導入された1940年から1942年までは37都市ほぼすべての都市決算書をデジタル化することができた。残りの分についても資料の管理台帳上はほぼ同じ割合で資料が存在していることになっているため,戦前日本における重要な地方財政制度の導入・変更の影響を都市決算データから実証的に明らかにできるのではないかと思われる。 また,2021年度以降に行う分析の準備のため,デジタル化と並行して,戦前の地方財政に関する研究書とともに都市別人口データを収集した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初予定していた都市決算書のデジタル化が令和2年度で完了することができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
遅れている都市決算書のデジタル化を完了させ,パネルデータの構築に着手する予定である。どのような形でデジタル化した資料のテキストを読み込むかについて慎重に検討を行いたい。その上で,2021年度中には分析に着手したいと考えている。
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