研究課題/領域番号 |
20H01572
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
樋口 直人 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (00314831)
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研究分担者 |
稲葉 奈々子 上智大学, 総合グローバル学部, 教授 (40302335)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 移民 / イタリア / ペルー / 社会移動 / 社会統合 / 非正規移民 |
研究実績の概要 |
今年度は、研究にたいして決定的な重要性を持つ海外調査を実施できなかった。本来は2度の海外調査により、ペルーからイタリアへの移民の状況を把握する予定が、実地調査ができなかったため、以下のような形で日本にいる範囲でかのうなことを行った。 1.科研申請時に集めきれていなかった、ペルーからイタリアへの移民に関する文献を収集した。また、イタリアが移民を組み込む構造的な要因を理解するため、イタリアへの移民に関しても広く文献を収集した。 2.もともとは2019年まで日本とペルーで収集したデータと、今回のイタリア調査のデータを比較することが目的であるため、ペルーから日本への移民のデータを整理し、分析を開始した。 3.比較のための枠組みを構築するため、移民の労働市場への編入、移民の社会統合、移民の社会移動、エスニック・ビジネスに関する文献を収集し、ステイホームの間に集中的に読破した。これをもとに、調査に際しての仮説を科研申請書より具体的に構築した。 4.日本でできる予備的な情報収集として、Facebookのグループに参加した。イタリアのペルー人については、Peruanos en Milano、Peruanos en Romaといったように都市ごとのグループが複数ある。こうしたグループに書き込むと、多くの人が返信してアドバイスをくれるため、頻繁に投稿がなされる。それをみると、コロナ下にあってもペルーからイタリアへの流入は継続しており、ビザがなくても働き口があること、家賃の相場、仕事の種類といったことがある程度把握できた。また、同様にFacebookでイタリアのペルーレストランをリストアップしたところ、ミラノだけで40軒程度見つかった。こうした情報は、実地調査を始める拠点を築くに際して有益な情報となる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
日本でできることは可能な限りしたものの、データ収集はすべてイタリア現地で行う調査設計であり、それを変更することも難しいため、現時点では予備調査にもいたらず、予備的なデータ収集と理論枠組みの検討にとどまっているため。
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今後の研究の推進方策 |
イタリアへの渡航が可能になったら、すぐに調査をできるように準備しておく。そのため、Facebookのグループへの参加を継続し、調査に際して協力を呼びかけられるようにしておく。
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