研究課題
本年度は、2023年7~9月、2024年2月にイタリア・ミラノ市において調査を行った。この間、361人(ペルー人359名、コロンビア人2名)のペルー移民に聞き取り調査を行った。プロジェクト期間全体で850人(うちペルー人844名)に聞き取りを行っており、申請時の目標(400人)を大幅に上回る人数にインタビューを行うことができた。コロナ禍により2020年度、2021年度の前半は海外調査ができなかったことを考えると、想定外といってもよいくらい効率よく調査ができたことになる。これでデータが出そろったため、2024年6月の関東社会学会において、「イタリアのペルー移民」という統一タイトルのもとで、樋口(ペルーでの階級的出自とイタリアでの階級的編入)、稲葉(在留資格を得たことに影響)が1本ずつ報告する予定。これらは最重要な知見を速報的にまとめたものだが、もう1点重要な知見として、住み込み介護労働の評価がある。住み込み介護労働は、在留資格のない移民にとってもっとも多くの送金が可能な仕事だが、(1)待遇が上がらないDead-end jobである、(2)住み込み介護が必要な高齢者の場合、半年から2年程度で死亡するため仕事が安定しているとはいえない、という問題がある。イタリア調査のほかに、日伊比較に必要な知見のまとめとして以下を行った。(1)在日ペルー人の職業の推移について樋口がデータ分析をまとめ、(2)在留資格がないペルー人の状況について稲葉が知見をまとめ、『ペルーから日本へのデカセギ30年史』に執筆した。(2)移民受入れに対する態度、政策、排外主義に関する比較の土台として日本の状況をまとめ、樋口が3本の論文を執筆した。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Migration and Nationalism Theoretical and Empirical Perspectives. Edited by Michael Samers and Jens Rydgren
巻: -- ページ: 136~155
10.4337/9781839100765.00013
Social Science Japan Journal
巻: -- ページ: ーー
Seoul Journal of Korean Studies
巻: 36 ページ: 443~464
10.1353/seo.2023.a916926
フランスのイスラーム/日本のイスラーム 伊達聖伸編
巻: -- ページ: --