• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 実績報告書

超小型衛星デモ機を利用した初等・中等教育での探究的な学びのパッケージの開発と実践

研究課題

研究課題/領域番号 20H01742
研究機関静岡大学

研究代表者

内山 秀樹  静岡大学, 教育学部, 准教授 (50708435)

研究分担者 信川 正順  奈良教育大学, 理科教育講座, 准教授 (00612582)
野澤 恵  茨城大学, 理工学研究科(理学野), 教授 (10261736)
今井 一雅  高知工業高等専門学校, ソーシャルデザイン工学科, 客員教授 (20132657)
能見 公博  静岡大学, 工学部, 教授 (20325319)
松村 雅文  香川大学, 教育学部, 教授 (50239084)
町 岳  静岡大学, 教育学部, 准教授 (80819293)
渡辺 謙仁  成城大学, 付置研究所, 研究員 (50870151)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード科学教育 / 超小型人工衛星
研究実績の概要

宇宙実験ボード SenseHATと小型コンピュータ Raspberry Pi4を組み合わせた超小型衛星(CubeSat)デモ機教材 (TopGunSat) を用い、附属静岡中学校で1年間に渡る正課授業と、立教新座中学校・高等学校で高校生向けの短期の科学教室での実践を行った。前者では、CubeSatを用いた新しい宇宙利用のアイデアをその実現性も考慮しながら検討する探究授業を実践した。後者は、無重力空間を題材に探究的な実験の実施を通して、力と運動に関する素朴概念の解消を目指す実践を行った。これらのR4年度の試行を元に、R5年度での実践に向けた教材・授業計画・効果測定方法を準備・改善できた。
ソフトウェア受信機(SDR)や段ボール八木アンテナを使った衛星電波受信実験の教育利用の実践も、KOSEN-1衛星チームとも連携しつつ、小中学生や高専生を対象に行った。SDRは将来的にはTopGunSatに接続し利用することを想定している。SDRや段ボール八木アンテナを活用することで、万有引力と円運動の物理学を学ぶ為(小林ら 2020)だけではなく、受信周波数の変化によるドップラー効果やアンテナを使うことによる電磁波の伝搬特性、また、NOAA 衛星画像の利用により気象分野学習の為の教材として受信実験を使える可能性が実践から見えてきた。
将来の教育専用超小型衛星での使用を目指し、民生品小型コンピュータ (Raspberry Pi Zero 2 W) の放射線耐性試験を行なった。極軌道上で、CubeSatの典型的な運用期間(約2年)以上の耐性を確認できた。
以上の実践や試験の報告を、日本天文学会、日本天文教育普及研究会中部支部会、小型衛星の科学教育利用を考える会等で行った。
また、第13・14回小型衛星の科学教育利用を考える会を開催し、衛星デモ機教材を含め、衛星の教育利用に関する情報共有・議論を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナ感染症禍の影響により、実践の実施に関しておおよそ1年程度の遅れが出ている。当初はR4年度の実践の本格的な実施を元に、R5年度に論文作成予定だったが、1年後ろ倒しになっている。
また、半導体不足の影響でRaspberry Pi4の価格が高騰し、入手が困難になっている。学校現場での活用を目指した教育パッケージとするためには、別の入手しやすい小型コンピュータを使う方針転換が必要である。

今後の研究の推進方策

中学校と高校で1年間にわたる正課の探究授業での実践を行う。中学校の実践では、14回小型衛星の科学教育利用を考える会で知見を得た、SFプロトタイピングの手法を導入する。これらの実践で、本教育パッケージの効果測定方法を行う。また、SDRを使った衛星電波受信実験の教材化と実践を進める。これらを論文としてまとめる。これらの授業を学校現場で実施可能な様に必要な情報・資料をまとめ、Webで公開する。教材用の小型コンピュータとして、Raspberry Pi 4に替わってM5 Stack Core2を使うことを検討する。また、教育用超小型人工衛星に向けた検討を進める。

  • 研究成果

    (15件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 学会発表 (14件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)

  • [学会発表] 人工衛星デモ機を題材とした高校物理授業の試行2023

    • 著者名/発表者名
      宮崎元気・内山秀樹・島野誠大
    • 学会等名
      2022年度日本天文教育普及研究会中部支部会
  • [学会発表] 「新しい宇宙利用」を題材とした探究授業の試行2023

    • 著者名/発表者名
      真野夏帆・雨宮司宜・内山秀樹・町岳・郡司賀透・山本高広・高橋政宏・安濃勇太
    • 学会等名
      2022年度日本天文教育普及研究会中部支部会
  • [学会発表] ソフトウェア受信機を使った衛星電波受信実験の教育利用2023

    • 著者名/発表者名
      松平朋香・杉山明・内山秀樹・山本仁
    • 学会等名
      2022年度日本天文教育普及研究会中部支部会
  • [学会発表] 授業教材としての受信実験専用超小型衛星を目指した放射線耐性試験の試行2023

    • 著者名/発表者名
      内山秀樹, 奥之山翔大, 磯貝拓史, 杉村聖允
    • 学会等名
      日本天文学会2023年春季年会
  • [学会発表] ソフトウェア受信機を使った衛星電波受信実験の教育利用2023

    • 著者名/発表者名
      松平朋香、杉山明、山本仁、内山秀樹
    • 学会等名
      第14回小型衛星の科学教育利用を考える会
  • [学会発表] CubeSat搭載を目指した民生品小型コンピュータの放射線損傷実験2023

    • 著者名/発表者名
      志方響、内山秀樹、今井一雅
    • 学会等名
      第14回小型衛星の科学教育利用を考える会
  • [学会発表] 「新しい宇宙利用」を題材とした探究授業の試行2023

    • 著者名/発表者名
      雨宮司宜・真野夏帆・内山秀樹・町岳・郡司賀透・山本高広・髙橋政宏・安濃勇太
    • 学会等名
      第14回小型衛星の科学教育利用を考える会
  • [学会発表] 衛星受信用「段ボール八木アンテナ」がつなぐ次世代高専衛星プロジェクト2023

    • 著者名/発表者名
      今井一雅
    • 学会等名
      第14回小型衛星の科学教育利用を考える会
  • [学会発表] 「ソーシャルメディア衛星開発プロジェクトSOMESAT」はSF思考なのか?2023

    • 著者名/発表者名
      渡辺謙仁
    • 学会等名
      第14回小型衛星の科学教育利用を考える会
  • [学会発表] 衛星デモ機を題材とした中学・高校での教育実践2022

    • 著者名/発表者名
      内山秀樹・町岳・郡司賀透・山本高広・高橋政宏・安濃勇太・島野誠大
    • 学会等名
      第13回小型衛星の科学教育利用を考える会
  • [学会発表] 電波受信実験専用超小型衛星に向けた放射線損傷実験の試行2022

    • 著者名/発表者名
      内山秀樹・奥之山翔大・磯貝拓史・杉村聖允
    • 学会等名
      第13回小型衛星の科学教育利用を考える会
  • [学会発表] 段ボール八木アンテナによる衛星受信体験と宇宙人材育成への展開について2022

    • 著者名/発表者名
      今井一雅
    • 学会等名
      第13回小型衛星の科学教育利用を考える会
  • [学会発表] 高専連携技術実証衛星 KOSEN-1 について(4)2022

    • 著者名/発表者名
      今井一雅, 平社信人, 西尾正則, 村上幸一, 中谷 淳, 徳光政弘, 今井雅文, 北村健太郎, 高 田 拓, 深井 貫, KOSEN-1 チーム
    • 学会等名
      第66回宇宙科学技術連合講演会
  • [学会発表] Technology Demonstration CubeSat KOSEN-1 for Jupiter Radio Observations2022

    • 著者名/発表者名
      Kazumasa Imai, Nobuto Hirakoso, Masanori Nishio, Taku Takada, Kentaro Kitamura, Jun Nakaya, Yukikazu Murakami, Masahiro Tokumitsu, Masafumi Imai, Kan Fukai
    • 学会等名
      Joint Conference: 33rd ISTS, 10th NSAT&14th IAA LCPM
    • 国際学会
  • [備考] 小型衛星の科学教育利用を考える会

    • URL

      https://wwp.shizuoka.ac.jp/sess/

URL: 

公開日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi