研究課題
2022年度に引き続き、 (Mg0.91, Fe0.09)2SiO4組成のオリビンの高圧相転移実験試料に対し、微小部X線回折(微小部XRD) 及び透過電子顕微鏡(TEM)による解析を行った。圧力12, 14, 16 GPa(温度は全て900°C)の相転移実験試料の微小部XRDパターンから、それぞれ試料では、オリビンの一部が、ワズレアイト、ワズレアイト+リングウッダイト、リングウッダイトに相転移していることが確認された。これらの試料の詳細なTEM観察から、オリビンはその外縁部から相転移が進行しており、形成されたリングウッダイト粒子のほとんどは{110}面の積層欠陥を持つことが明らかになった。また、これらの粒子から取得した電子線回折パターンは、リングウッダイト(Rw)の回折スポットに加えて、オリビン新高圧相であるポワリエライト(Poi)の微弱な回折スポットを示した。また、このパターンは両相のトポタキシャルな結晶方位関係(001)Poi//{001}Rw及び(100)Poi//{110}Rwを示す。一方、ワズレアイトの粒子の一部は(010)面に積層欠陥を持つが、ポワリエライトに対応する回折スポットは観察されなかった。相転移実験にて未反応であるオリビン中の転位密度は1.4-2.1x10^9 /cm2である。過去に提案された転位密度ー差応力の関係式から、差応力は0.5-0.6GPaと見積もられた。以上の結果は、ナノスケールのポワリエライトは、比較的低温かつ高い差応力条件下では、14GPa以上の圧力でリングウッダイトのみから準安定的に形成されることを示唆している。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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