研究課題/領域番号 |
20H01965
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17010:宇宙惑星科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人海洋研究開発機構 |
研究代表者 |
富岡 尚敬 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 超先鋭研究開発部門(高知コア研究所), 主任研究員 (30335418)
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研究分担者 |
河津 励 横浜市立大学, 生命ナノシステム科学研究科(八景キャンパス), 客員研究員 (00447913)
奥地 拓生 京都大学, 複合原子力科学研究所, 教授 (40303599)
宮原 正明 広島大学, 先進理工系科学研究科(理), 准教授 (90400241)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 隕石 / 衝撃変成 / 高圧相転移 / 高圧実験 / 透過電子顕微鏡 |
研究成果の概要 |
隕石はその母天体である小惑星同士の高速衝突による衝撃圧縮により、構成鉱物一部が高密度化する。本研究では、オリビンの新高密度相であるイプシロン相を3つの隕石から発見した。透過電子顕微鏡観察とX線回折により、イプシロン相の産状が詳細に明らかになった。さらに、第一原理計算による熱力学的安定性の検証と高圧相転移実験により、同相の形成条件が制約された。これらの結果から、イプシロン相は隕石の新しい衝撃変成指標になる可能性が提示され、また、新鉱物ポワリエライトとして国際鉱物学連合により承認された。
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自由記述の分野 |
鉱物学、惑星物質科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、世界各国で「はやぶさ」、「はやぶさ2」を始めとする太陽系天体サンプルリターンが計画され、小惑星、彗星核、月などの表層から物質を地球に持ち帰り、詳細分析する研究が活発化している。オリビンはこれらの物質を構成する最も代表的な鉱物の一つであり、本研究で得られた同鉱物の衝撃(高圧)応答の知見は、天体相互衝突プロセスを紐解く上で重要な基礎となる。従来、観測が主体だった惑星探査において、物質科学的視点から太陽系天体の衝突履歴に迫ることができる点に、本研究の学術的意義がある。また、高額予算を要するサンプルリターンの成果を最大化するための基盤的成果である点が社会的意義である。
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