地殻の内部に蓄えられているマグマには高い圧力がかかっているため,マグマにはガス成分(水)がたくさん溶解している.マグマが上昇すると圧力が低下し,ガスの溶解度が下がるため,マグマは激しく発泡し,地表に現れる際には爆発しやすい.しかし実際には必ずしも爆発が起こるわけではなく,穏やかな噴火を起こすことも多い.この場合,発泡したマグマからガスが効率よく逃げ,爆発性を低下させる仕組みが存在すると考えられるが,マグマの中でどのようにガスが発生し,移動するのかは不明である.本課題では,噴出物に残された塩素成分の不均質分布を解析することで,マグマの中で起きていたガスの発生や移動の実態を読み解く手法を確立した.
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