低頻度ながら、破局的な巨大カルデラ形成噴火はなぜ発生するのかという問題に関連して、膨大な珪長質マグマが準備される特異性やその要因を明らかにする目的で、国内の代表的なカルデラ火山(支笏・屈斜路・洞爺・姶良・十和田)の噴出物を対象に、U-Th放射非平衡を軸とした物質科学的解析を行った。その結果、全てのカルデラにおいて、「噴火直前に蓄積された膨大な量の珪長質マグマは、40万年以上前から存在した主要なマグマ(=長寿命珪長質マグマ系)と、新しい時期に断続的に生成した付加的なマグマから構成される」という、非常に興味深い共通点を見出した。
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