研究課題
基盤研究(B)
本研究では、マイクロ・ナノ径の金属ファインワイヤの創製を可能にするため、電子流による金属原子の拡散に起因した原子蓄積に伴う高圧力を利用したエレクトロファインインジェクションなる電子流駆動型金属微小射出機構の本格的実現を試みた。電子流駆動型金属微小射出機構の確立、射出機構によるワイヤの創製高速化、創製ワイヤの材料特性制御および評価、なる3項目の研究を総合することで、本技術の実現可能性を示唆する成果を得た。
機械材料・材料力学
創製されたファインワイヤは良好な機械特性、特に高強度を示すことから、これまで化学センサ等の機能材料としての働きに限定されてきたファインワイヤの応用事例を機械材料分野にまで拡張させる成果である。また考案された原子拡散制御手法を発展させることは、ワイヤの射出速度の制御に資するのみならず、ワイヤの直径、長さおよびその幾何形状の制御をも可能にし、これまでにない新たなファインマテリアルを作り出す創製手法の基盤技術となることが期待される。