臨界点の正確な測定が本研究では非常に重要となる.一定質量の試料を気液共存状態で圧力容器内に密閉し,温度を上げて行くとある温度で気液メニスカスが消滅する.この温度が飽和点となり,充填密度が臨界密度より小さい場合には飽和蒸気密度となり,臨界密度より大きい場合には飽和液密度となる.また飽和蒸気側では,昇温に伴いメニスカスの位置が下降するが,飽和液側では,昇温に伴ってメニスカスの位置が上昇する.一方で,充填密度が臨界密度の極近傍の場合,昇温してもメニスカスの位置は殆ど変化せず,臨界タンパク光が観察される.このように,最も正確な臨界点の決定方法は目視法である.本研究ではこの目視法により,R1234ze(Z)の飽和密度ならびに臨界点を決定した.本装置は試料供給容器,膨張容器,試料観察容器の3つの容器で構成される.試料供給容器に質量が既知の試料を充填し,これを膨張容器と試料観察容器に膨張させる.各容器の内容積は予めR134aを用いて測定されており,充填質量と内容積から密度が決定される.試料観察容器にはガラス窓が設置されており,メニスカスの変動および臨界タンパク光の観察が可能である.膨張容器内の試料を段階的に排気することで,異なる密度での測定が可能である.また本装置では,膨張容器に精密圧力センサが設置されていることから,蒸気圧や気体,液体,超臨界域でのPVT性質の測定も可能であり,R1234ze(Z)では超臨界域でのPVT性質が測定された.さらに本測定を展開させて,水素と二酸化炭素の飽和密度を目視により決定することが出来た.
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