水素混合系の熱力学的な性質を正確に把握することは,水素社会の実現において必要不可欠である.水素 + 炭化水素,水素 + 二酸化炭素のような系は,臨界曲線が不連続かつ高圧域へと発散し,Type IIIとして分類され純物質の挙動とは全く異なる.本研究では,水素を含む混合系の飽和密度やPVTx性質をそれぞれ目視法,定容積法を用いて精密に測定した.既存の状態方程式との比較を行い,状態方程式は得られた実測値を良好に再現していた.このため,状態方程式を用いて水素を含む3成分系の相境界線の組成依存性について計算し,その挙動について検証した.
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