研究課題
MHz帯において強力超音波を出力するための振動子について、その設計指針を確立し、バイオや医療関係に応用していくことを本研究の目的としている。本研究で提案しているDPLUSは縦波入力波を二つの楕円反射面で集束して細棒導波路に入力し、その先端から強力超音波として出力することに特長を有している。これは、従来の強力超音波を出力するためのランジュバン振動子とは異なり、マルチモードであることが特長である。本年度は、二重放物面反射を利用したDPLUSを用いて、細棒導波路から高出力超音波が出力される超音波出力を利用して細胞のカルシウムイメージングを確認した。この実験結果により、細胞の分化誘導や細胞分裂促進などの超音波照射効果についての研究において、DPLUSが有効に利用できることを実証できた。また、このような共振駆動においてではなく、バースト駆動時などの場合における超音波伝搬メカニズムを詳細に検討した。この結果、圧電リングから出力された縦波振動が二回の放物面で反射して導波路に入力される振動に対して、1回目の放物面反射で縦波横波モード変換した波が集束し、細棒導波路に入射する波が非常に大きいことを見出した。さらに、反射面に対する入射角度によっては、縦波が高効率で横波に変換されることが分かった。そこで、この現象を積極的に利用することによって、縦波入力波を曲面で反射させて高効率に横波として集束させるElipsと命名した楕円反射集束機構を提案した。また、このElipsの考え方を展開し、細棒導波路からの強力超音波の高効率出力や、バルクPZTからの縦波を集束した強力弾性表面波を出力させることに成功した。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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