3年目(最終年度)の研究内容として,4つの研究課題のうち,(2)テザークライミング(Tethered-Climbing)の創成,(3) ハンドアイ・システムの構築,(4) システム統合と制御の実装に向けた研究開発,についてそれぞれ取り組んだ. (2) テザークライミングの創成:2年目までの各種評価試験に基づいて,凹凸適応ハンド機構,および伸展アームとテザー連結されたハンドから構成されるテザー伸展機構の改良版を搭載したロボット・プロトタイプの設計開発をおこなった.これにより,本研究課題で目標とするテザークライミング移動の実現を実機実証するシステムを構築した.さらに,本システムによる移動力学について,力学原理の構築をおこない,運動制御則の実装をおこなった. (3) ハンドアイ・システムの構築:ロボット・ハンドのテザー伸展に連動した環境認識を融合させた.ハンド近傍の地形を認識し,凹凸地形適応性に基づく「しがみ付き」領域の抽出と誘導を可能とするシステムを構築した.本システム開発に際しては,課題(1),(2)の成果も踏まえて,統合技術として構築した. (4) システム統合と制御の実装:研究課題(1),(2),(3)の成果技術を統合したスパイダーマン型の超人的ロコモーションを可能とするロボットシステムを研究開発した.模擬地形環境に対して,統合ロボットシステムとして実現するテザークライミング移動の有効性を検証した.
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