研究課題/領域番号 |
20H02278
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
山中 英生 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 教授 (20166755)
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研究分担者 |
矢部 拓也 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(社会総合科学域), 教授 (20363129)
松浦 正浩 明治大学, ガバナンス研究科, 専任教授 (70456101)
吉田 長裕 大阪市立大学, 大学院工学研究科, 准教授 (20326250)
金 利昭 茨城大学, 理工学研究科(工学野), 特命研究員 (40205050)
尾野 薫 宮崎大学, 地域資源創成学部, 講師 (00782210)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 自転車 / 自転車活用推進法 / 交通安全 / 自転車観光 / トランジション・マネジメント |
研究実績の概要 |
本研究は,自転車を巡る社会システム改革を目指した活用促進プロジェクト探索にむけて,科学的エビデンスを強化したTM手法を適用することで,新たな自転車活用推進方策の策定と,それを担う社会組織の形成への寄与を実践的に確認することを目的としている.第2年度は,エビデンスベース型トランジション・マネジメント(以下TM)手法のプロセス設計をもとに,金沢市のシェアサイクルによる自転車活用推進、徳島県でのe-bike活用をテーマとした手法の適用を実施した. エビデンスベース型TM手法プロセスおよび自転車活用推進の比較分析:オランダのエラスムス大学TM研究所のマニュアルをもとに,科学的エビデンス研究フレームを基礎とするプロセスのありかたを取りまとめた.また,我が国における自転車活用推進の計画,事例を収集・比較して,上記で提案したプロセスの適用性を検討した. 地域におけるTM手法の適用実践:初年度立ち上げたグループを対象に,自転車活用を促進する新たな都市環境創出を目指しシェアサイクルを活用した実践を試行する予定であったが,新型コロナ感染症拡大のため県外移動を伴うワークショップ開催が困難であったことから,代わりに過去の金沢市における自転車の取り組みについて,オンラインでのヒアリングを行い実践的コミュニティの形成状況の分析を行った.徳島県においては,サイクルツーリズム講座を開催し,探索したフロントランナーグループで,e-bikeを活用したツーリズムモニター試走会を上勝町で行ったほか,徳島県が推奨する吉野川沿いのサイクルルートTラインの利用可能性を検討した.さらに,科学的エビデンスとして,e-bikeとロードバイクについて坂路乗車時の速度・活動エネルギーの比較データを計測した.また水戸市では自転車活用のためのテーマ設計,フロントランナー探索を行うため市民グループとの対話を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナ感染症のため対面型の取り組みが実施できなかったことから計画の変更を余儀なくされた.ただし,徳島県における実践取り組みは少人数のフロントランナーを主体として実施したことから,計画を順調に遂行できている.金沢市で予定していたワークショップについては,県外移動を伴うことから2022年3月までに実施できなかった.このため2021年度はオンラインのヒアリングを用いて金沢におけるフロントランナーによる実践的コミュニティの形成状況の分析を行い,成果を得ている.予定していたワークショップは2022年度に改めて他地域を対象として実施している.水戸市においても,同様に2021年度に予定していたワークショップを2022年度に実施している.
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今後の研究の推進方策 |
トランジション・マネジメントの計画プロセスについて,オランダでの知見を調査してブラッシュアップを図る.それをもとに徳島,金沢,水戸での実践を進める.徳島では,新しい広域連携型のサイクルツーリズムについてビジョン,サイクルバスの活用施策を検討する.金沢市では,シェアサイクルを活用したツーリズムの実践可能性のある金石・大野地区に着目して,トランジション・マネジメントの初動となるフロントランナー探索を実施して,その適用性を分析することとした.水戸市では基礎的な分析とプロントランナーの探索を継続することした.
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