研究課題/領域番号 |
20H02300
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研究機関 | 北九州市立大学 |
研究代表者 |
高巣 幸二 北九州市立大学, 国際環境工学部, 教授 (60336948)
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研究分担者 |
陶山 裕樹 北九州市立大学, 国際環境工学部, 准教授 (20507876)
伊藤 是清 東海大学, 基盤工学部, 教授 (50380663)
白川 敏夫 九州産業大学, 建築都市工学部, 教授 (60623387)
小山田 英弘 北九州市立大学, 国際環境工学部, 教授 (80233625)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | スラリー化 / 乾燥収縮 / クリープ / 硫酸劣化 / 中性化 |
研究実績の概要 |
様々な粉体を用いて、乾粉とスラリーによる違いを粘度、フロー、マイクロスコープによって比較し、そのスラリー性状について検討した結果、粉体をスラリー化して複合することでそれぞれの欠点を補うことが可能であることが実験より得られた。流動性が向上した粉体は、練り混ぜ時間が長くなるにつれ粉体がスラリー内に均等に分散した。しかし、流動性が低下した粉体はスラリー内に均等に分散できず凝集した。 高炉スラグ細骨材(BS)と溶融スラグ細骨材(YS)にフライアッシュ(FA)を複合混合した自己充填コンクリートのフレッシュ性状と硬化後の諸性状の評価を行った結果、FAを混合させると粘性が増加するが流動性と間隙通過性が改善された。また、スラグ置換率が増加するにしたがって流動性と間隙通過性が悪化することが確認された。BSの置換率が増加するにしたがって潜在水硬性により圧縮強度が増加し、YSを混合させることで低下した。FAを混合させることでポゾラン反応により長期材齢による強度増進が確認された。乾燥収縮ひずみについてBSのみ用いた場合よりYSとBSを複合混合した場合の方が乾燥収縮ひずみは低減された。単位クリープひずみについてBSのみ混入した場合で大きな変化はないがYSとBSを複合混合するとFAの置換率が大きくなるほどクリープひずみが増加する傾向が確認された。しかし、材齢 28日までにクリープひずみの各調合での上下関係は概ね決まっていることから、FAではなくYSが影響を及ぼしたと考えられる。 硫酸酸性環境下における抵抗性に及ぼす再生材料の混合の影響について検討した結果、高炉スラグ細骨材を使用した試験体は高い硫酸抵抗性を有していた。溶融スラグ細骨材と高炉スラグ細骨材を複合混合した試験体では高炉スラグ細骨材を最も多く混合した試験体と同程度まで硫酸浸透深さが抑制されていた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍ではあったが、当初の研究計画で示した①数種の副産物粉体におけるスラリー化混合手法の検討②再生材料を複合混合した省力施工型低炭素コンクリートのフレッシュ・力学性状の検討③再生材料を複合混合した省力施工型低炭素コンクリートの耐久性状の検討、④省力施工型低炭素コンクリートの包括的な材料設計手法の確立について、当初の計画通り2年次終了時点の目標を概ね達成することができ、研究は概ね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、再生材料を複合混合した省力施工型低炭素コンクリートのフレッシュ・力学性状・耐久性状に関する実験を継続して実施すると共に省力施工型低炭素コンクリートの包括的な材料設計手法を確立する予定である。 現在のところ、研究計画の変更及び研究を遂行する上での問題点等は発生しておらず、今後も研究計画通りに遂行予定である。
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備考 |
TAKASU LABORATORY http://esd.env.kitakyu-u.ac.jp/takasu/ 北九州市立大学ひびきのキャンパス 高巣幸二 http://www.kitakyu-u.ac.jp/env/faculty/d-design/introduction/koji-takasu.html
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