研究課題
当初予定していたインドネシア現地での実地調査ができなかったため,2021年度は,(1)現地調査に用いるための計測器の開発を引き続き行うとともに,(2)インドネシアの一般成人を対象とした着衣に関する全国調査を実施した。計測器の開発は,主に,研究分担者の佐古井准教授が担当している。2021年度は,相手方研究機関であるインドネシア公共事業省・人間居住・住宅研究所内に小型風洞を設置し,その風洞を用いて,指向性を有する熱線風速計の校正式を求めた。着衣調査については,国際的な調査会社からの協力のもとで,インドネシア全土を対象としたオンラインアンケートを実施し,オフィス,または,工場に勤務する一般成人3000名から回答を得た。男女合わせて,約88%のオフィス労働者が勤務時にエアコンを使用していたのに対し,工場労働者は約54%であり自然換気条件下にある場合が多かった。普段の典型的な着衣の組み合わせをクラスター分析によって類型化したところ,オフィス労働者の着衣は12の組み合わせパターンに類型化でき,一方の工場労働者はそれは13のクラスターに分類された。2021年度の時点では,十分な解析には至らなかったが,この段階として,男女ともに,工場労働者よりもオフィス労働者の方が多くの着衣を用いており,それはエアコンの使用に強く影響していることが示唆された。
3: やや遅れている
申請書記載のとおり,本研究はインドネシア現地における実地調査を中心とした研究計画としていた。したがって,新型コロナの影響で長期間,渡航ができなかった影響は非常に大きかった。上記のとおり,実地調査を実施できないために,研究期間内で柔軟に研究計画を変更し,当初の予定にはなかった新たな成果を出しているが,従来計画に照らし合わせた場合には,遅れが生じているといえる。
2022年度は,渡航制限の緩和された場合には,すぐに当初予定していた実地調査の準備を進める。一方では,2021年度に代替的に実施した着衣の全国調査の結果の解析を行い論文等にまとめる。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 4件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 4件)
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