肺がんの一つである胸膜悪性中皮腫手術後に適用する材料創出を目指し、疎水化タラゼラチンが湿潤生体組織に対して優れた接着性を有する点に着目し、肺表面に接着して空気漏れを防止するシートを創出し、抗がん機能を付与したシートを調製した。エレクトロスピニング法を用いて疎水化タラゼラチンシートを調製できた。ブタ肺胸膜組織に対するシートの耐圧強度は、未修飾シートと比較して有意に増加した。また、ラット背部皮下において強い炎症反応を生じることなく、21日間以内に分解した。さらに、シートと抗がん剤あるいは酸化鉄ナノ粒子を複合化することにより、抗がん剤徐放性と温熱療法が可能な機能を有することを明らかにした。
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