アニオン性ポリマー鎖とカチオン性ポリマー鎖には、静電相互作用による引力が働くと考えられるが、それでは、水中室温の条件下で、基板上でゆらぐ両ポリマー鎖一本一本は、互いにどの位の距離から引力を感じ、そして結合するだろうか?先ず、これを高速AFMイメージングによって直接観測して明らかにした。アニオン性ポリマーにはPAMPSおよびPAMPSナトリウム塩を用い、一方、カチオン性ポリマーにはポリアリルアミン(PAA)およびPAA塩酸塩を採用した。PAMPSのスルホン酸基とPAAのアミド基との間のダイナミクスを解明した結果、PAMPS長鎖一本の末端部にPAA短鎖1分子が結合した複合体が確認された。
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