研究課題
基盤研究(B)
タンパク質の結晶化過程を明らかにするには、高い時間、空間分解能での観察が必要である。この実現が期待できる溶液セル透過型電子顕微鏡法において、結晶化を効率よく生じさせるため、溶液セル内の過飽和度を制御する手法の開発を行った。その結果、放射線分解と貧溶媒を組み合わせる手法、誘電泳動現象を利用する手法、試料を冷却する手法を開発した。また、これらの手法を用いたタンパク質の結晶化への応用について検討した。
結晶成長
結晶化の物理・化学的メカニズムの解明は長年に渡り取り組まれている学術的に重要な課題である。また結晶化は、創薬に関わるタンパク質分子の構造解析、産業に関わる半導体などの材料開発、地球の熱収支に関わる雲の生成などの基礎であり、社会的に重要な現象である。これを調べるのに有効な溶液セル透過型電子顕微鏡法において、結晶化を能動的に生じさせる手法を開発した。これにより結晶化の瞬間を捉えることが容易になり、結晶化の理解が飛躍的に進展することが期待できる。