本研究では、照射する光の波長によって2状態を行き来するフォトクロミック分子の一種であるジアリールエテンに対し、単分子スイッチングの実現可能性を検証することを目的とした。走査型トンネル顕微鏡(STM)を用いて、銅および銀の表面に吸着したジアリールエテン分子に電子を注入する、光を照射するなどの方法を試した。分子が単分子膜やクラスターなどの集合構造を作った場合は異性化反応が阻害される場合があること、周囲に分子がなく孤立した状態であっても一部が解離する反応がスイッチングに競合すること等が明らかとなった。
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