光励起状態における円二色スペクトルは実測例が極めて少なく、観測すること,そしてその解釈を行うことは学術的な観点から重要であると考えられる。さらに,スペクトル解析から得られる光励起状態のキラリティの知見は円偏光を直接発するEL 素子開発へ応用展開できると期待できる。 申請者はこれまで過渡円二色測定手法を開発しヘリセンの光励起三重項状態における過渡円二色スペクトル測定に成功したが,より簡便に精度良く過渡円二色スペクトル測定を行う手法を確立することで,本手法をもって広く科学の発展に寄与することに繋がると考えた。そこで本研究ではこれまで開発してきた測定装置を改良しそれを用いた過渡円二色性測定を行った。
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