本研究では、細胞代謝に関わる様々なケミカルバイオロジー研究を行った結果、脂肪酸のベータ酸化に関わる研究テーマにおいて高い成果を得た。具体的には、まず、脂肪酸のベータ酸化を検出できる蛍光プローブの開発に成功した。この蛍光プローブはマウス肝細胞におけるベータ酸化の活性化状態を蛍光で検出することに世界で初めて成功した。また、脂肪酸のベータ酸化活性を指標した反応性化合物(コバレントリガンド)の細胞系スクリーニングを行うことで、ベータ酸化阻害分子CFA-457を発見した。CFA-457は、細胞中のプロテインXを不可逆的に強く阻害する化合物であることを見出した。
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