本研究では、腸内細菌叢が腸管免疫を調節する際のmicroRNAによる遺伝子サイレンシングの役割を調べた。無菌マウスと通常マウスの比較解析から、腸内細菌叢の存在が大腸の粘膜固有層白血球においてmiR-200ファミリーの発現を増加させる結果、IL-2発現を促進する転写因子であるBCL11BおよびETS-1の発現が抑制され、IL-2産生の減少につながることが示唆された。また、難消化性オリゴ糖である1-ケストースを摂取させたマウスを用いた解析により、1-ケストースが大腸の粘膜固有層白血球におけるmicroRNA発現を変化させ、それらの少なくとも一部を腸内のビフィズス菌が媒介することが示唆された。
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