澱粉の糊化を中性子準弾性散乱測定によって解析を行った結果、DSCの吸熱ピークに対応する澱粉の分子運動性の変化を検出し、分子運動性が糊化により活発になることが示唆された。また老化に伴って澱粉の分子運動性が抑制されることを見出した。赤外分光の減衰全反射サンプリング法を採用した新しい同時測定システムを開発し、食品素材の解析に適用した。その結果、澱粉の老化等に伴う構造変化を中性子小角散乱と赤外分光でとらえることができた。中性子散乱法を基軸とした各種分光測定、熱分析等の実験手法を融合した手法による食品の構造物性相関の解析は、食品のミクロ構造の解析や、食品中の水とミクロ構造の関係性の解析に有効である。
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