研究課題
当初研究計画の提案「電荷分離のエナジェティクスの解析」は、周到な準備に基づいてなされたことが功を奏した。その理由の一つとして、基礎的な電子移動のエナジェティクスである酸化還元電位を静電相互作用計算に基づいてPbRC, PSIIにおいて完了していた [論文: Chem. Sci. (2018)] ことが、研究の円滑な実施の礎となった。酸化還元電位は電子移動経路対において異なる値を示し電子移動のエナジェティクスは異なることは明らかであったが、電荷分離時の正孔との相互作用を反映できていないものであった。酸化還元電位では電子移動経路間に差はあることは見えたものの、基本的に両経路とも電子移動のエナジェティクスはdownhillであった。一方、電荷分離状態をも考慮したエナジェティクスでは不活性側の電子移動経路のエナジェティクスは完全にuphillとなり電子移動に不利である様が、明確に現れている。非対称電子移動経路の所以(ゆえん)は、PbRCでは極性環境(「極性アミノ酸残基の分布」や「タンパク質形状」の差)の差であるのに対し、PSIIでは水分解触媒部位のD1側への局在、それに伴うプロトン移動経路のD1側への局在に大きく由来するものであった。以上、成果論文として[Chem. Sci. 12 (2021)] [Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A. (2020)] 等を発表した。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2022
すべて 雑誌論文 (15件) (うち査読あり 15件、 オープンアクセス 12件) 学会発表 (24件) (うち国際学会 4件、 招待講演 4件)
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