Hoxb5の発現により、造血幹細胞(HSC)分画は自己複製能を消失することなく、長期に渡り造血システムを維持する事が明らかになった。加齢の過程において、HSC分画内でHoxb5を特異的に発現する長期造血幹細胞(LT-HSC)が選択的に増大する。この変化は、自然老化のみならず、移植後や化学療法後の骨髄内においても再現され、普遍的な変化であると考えられる。またLT-HSC特異的な解析から、生涯に渡りLT-HSC自身の細胞分化は造血の恒常性を保つような柔軟性を有しており、加齢に伴う骨髄球系優位な細胞分化も、ミエロイドバイアスHSCの濃縮ではなく、LT-HSCの濃縮により惹起されることを明らかにした。
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