研究課題
基盤研究(B)
病原菌、オゾンやUVなど多様なストレスに共通して発現する327遺伝子のプロモーター上に有意に出現するシス配列とこれを認識する転写因子(SBR1, 2および3)を選抜した。SBRはSA合成関連遺伝子ICS1やPBS3を発現誘導することを確認した。また、SBRの発現上昇に応じて、SA合成を担う転写因子CBP60gやSARD1、さらにはICS1とPBS3の発現誘導が確認された。加えてChIP-seq解析から、SBRはSA合成関連遺伝子群のプロモータ上に分布することが示された。
植物病理
病原菌、オゾンやUVなど多様なストレスを感知し、サリチル酸の合成を開始する転写因子SBRを同定した。SBRは生物的あるいは非生物的ストレス応答に重要な役割を担っていると考えられ、ストレス応答の中枢因子であると言える。これまで、各ストレスからサリチル酸合成に至る情報伝達経路は未解明であったため、個別の情報伝達経路の理解にも多大な貢献をなすと考えられる。一因子が多くのストレスに対して耐性を付与できることから、分子育種上の重要因子として捉えることができる。