研究課題/領域番号 |
20H03307
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45030:多様性生物学および分類学関連
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
二階堂 雅人 東京工業大学, 生命理工学院, 准教授 (70432010)
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研究分担者 |
廣田 順二 東京工業大学, 生命理工学院, 教授 (60405339)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ancV1R / 脊椎動物 / 哺乳類 / 鋤鼻器官 |
研究成果の概要 |
地球上の生物にとって子孫を残すための生殖システムは多様性維持の中核をなす。そして、脊椎動物がもつフェロモン(鋤鼻)感覚は、 生殖システムの中心的役割を果たす。 我々は、 シーラカンス全ゲノム計画を進める中で、古代魚から陸生哺乳類を含む、ほぼ全ての脊椎動物が共有するフェロモン受容体遺伝子「ancV1R」を新規に発見した. 本研究ではこの発見を基軸として, 遺伝子改変マウスを利用したancV1Rの機能解析、ゲノム情報学を駆使したより網羅的なV1R探索、古代魚におけるancV1Rの発現局在解析を実施し、脊椎動物におけるフェロモン感覚の機能とその進化的起源を明らかにした。
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自由記述の分野 |
進化生物学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は哺乳類のフェロモン受容体V1R遺伝子群の中でも特に、ほぼ全ての脊椎動物が共有し、全ての鋤鼻神経細胞に発現する「ancV1R」について進化学的な解析をおこなった。その結果、ancV1Rが哺乳類の生殖行動に重要な働きをもつこと、そしてフェロモン受容に特化した鋤鼻器官の起源は肉鰭類の共通祖先まで遡ることを明らかにした。これは生物多様性の創出・維持の中心ともいえるフェロモン受容の機能と起源を理解する上で極めて重要な知見を与えたと言える。また将来的には、このancV1Rのリガンドを用いた家畜動物の繁殖管理といった産業応用についても十分に期待され、その社会的意義も大きいと考えられる。
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