研究課題/領域番号 |
20H03345
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研究機関 | 国立遺伝学研究所 |
研究代表者 |
平田 たつみ 国立遺伝学研究所, 遺伝形質研究系, 教授 (80260587)
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研究分担者 |
小出 剛 国立遺伝学研究所, 遺伝形質研究系, 准教授 (20221955)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 誕生日タグづけ法 / 発達性障害 / マウス / 神経発生 / neuroGT |
研究実績の概要 |
発達性障害は社会的にも大きな問題であるが、多種多様な症状が混在し原因の手がかりすらつかめない。本提案では、代表者が開発した「誕生日タグづけマウス」を用いて、この混沌とした障害を神経発生の観点から解析する。発生期には、最も脆弱であるといわれる誕生したばかりの神経細胞は移り変わる。結果として、なんらかの撹乱を受けた胎児期のタイミングが、障害される神経細胞集団を決め、生じる症状を方向づけるのではないだろうか?このような感受性期と症状との因果関係は、人間集団を対象とした疫学的後向き研究では解析できない。本研究では実験生物学的に、神経発生の障害タイミングと現れる症状との間の相関を解明する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
誕生日タグづけマウスNeurog2CreER(G2A)をCre-loxP 組換え依存的に抑制型DREADD(CAG-LSL-hM4Di)または活性化型DREADD(CAG-LSL-hM3Dq)を発現するマウス系統と交配し、胎生10.5日から15.5日までの期間中、タモキシフェンを1回だけ1日刻みで投与し、各投与のタイミングで誕生する神経細胞選択的にDREADDを発現させた。作成したマウスを生後8-10週まで育ててから、DREADDの人工リガンドClozapine-N-oxide (CNO) を投与して神経活動を操作し、投与後30分-1時間の間に個体に生じる機能障害を調べた。これまでに、心拍数、呼吸数、体温などの生理機能計測、定型的SHIRPAテスト、ロータロッドテスト、ホットプレートテスト、テールサスペンジョンテスト、恐怖条件づけテストについて条件検討を行い、計測データを収集した。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度に引き続き、抑制型及び活性化型DREADDを発現する誕生日タグづけマウスを体系的に作成し、生理行動症状表現型テストを行って計測データを蓄積する。昨年度のテストに加えて、オープンフィールドテストと瞳孔径測定を加える。得られたデータを解析して、障害を及ぼす誕生日と表情との関係性の検討を開始する。
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