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2020 年度 実績報告書

樹状突起演算および神経発火におけるスパインサイズの非線形効果の定量的解明

研究課題

研究課題/領域番号 20H03347
研究機関国立研究開発法人理化学研究所

研究代表者

高木 朗子 (林朗子)  国立研究開発法人理化学研究所, 脳神経科学研究センター, チームリーダー (60415271)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード精神疾患 / シナプス / 樹状突起スパイン / NEURONシミュレーション
研究実績の概要

DISC1 KDマウスおよび対照マウスの前頭野II層錐体細胞およびV層錐体細胞を比較したところ、DISC1 KDマウスでは、巨大スパイン(対照マウスのスパイン体積分布において上位3SD以上)の頻度が約10倍(KD3.4%、対照0.26%)であることが明らかになった。巨大スパインへの入力を調べるために、グルタミン酸アンケージング法により、巨大スパインを含む単一スパインを特異的に刺激し、樹状突起および細胞体で生じる現象を詳細な時系列データとして計測した。標準的なスパインだけを同時刺激すると最低でも8個のスパイン入力が必要だったが、巨大スパインへの入力では、1~3つの入力で十分に活動電位を惹起することができ、この際に、本来ならば必要なCa2+スパイクは不要であることも明らかになった。すなわち、巨大スパインへの入力は新規の超線形性の神経発火を誘発することが明らかになった。NEURONシミュレーションを併用することにより、超線形の効果は巨大スパイン内のXXXX(非公開)spikeであることがシミュレーションされたため、薬理的な実験を併用することにより、このシミュレーション結果が正しいことを示した。このように、巨大スパインへのシナプス入力→樹状突起スパイク→神経発火との関連・因果関係を厳密な定量的時系列データより導きだし、スパインサイズがこれほど大きな超線形効果を誘発することを世界で初めて示した研究であり、現在、論文改定作業中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

FY2021の内容まで進捗したため。

今後の研究の推進方策

これまでの実験はすべてIn vitro acute sliceを用いたが、このような超線形効果が見られるか否かを、in vivo 2-photon, in vivo glutamate uncagingを用いて検証する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] Optical interrogation of multi-scale neuronal plasticity underlying behavioral learning2021

    • 著者名/発表者名
      Tsutsumi Shinichiro、Hayashi-Takagi Akiko
    • 雑誌名

      Current Opinion in Neurobiology

      巻: 67 ページ: 8~15

    • DOI

      10.1016/j.conb.2020.07.002

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Multi-Scale Understanding of NMDA Receptor Function in Schizophrenia2020

    • 著者名/発表者名
      Hyun Jo Soo、Inoue Takafumi、Hayashi-Takagi Akiko
    • 雑誌名

      Biomolecules

      巻: 10 ページ: 1172~1172

    • DOI

      10.3390/biom10081172

    • 査読あり

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公開日: 2021-12-27  

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