がん抑制遺伝子産物p53はがん細胞において約50%が変異している。本研究では、がん治療薬開発のため変異型p53の機能を回復させる化合物を探索した。そして、p53-R175Hを過剰発現するSaos-2 (p53-R175H)細胞を用いて、当研究室で保有する天然資源エキスをスクリーニングし、植物内生菌から変異型p53の細胞内レベルを低下させる化合物を単離した。化合物の作用機構を調べたところ、本化合物は当初推定したように変異型p53を野生型構造に変換させて機能回復させるのではなく、変異型p53を不安定にさせプロテアソームによる分解や凝集を誘導させていることが示唆された。
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