研究課題
最終年度は、Th17細胞のマスター転写因子であるRORgtと内因性脂質(1-18:1-LPE)との会合について、Thermal Shift Assayやリピドミクス解析を組み合わせた手法により検証を行った。その結果、1-18:1-LPEは非常に高感度にRORgtと会合することが明らかとなった。実際に、脂肪酸側鎖がオレイン酸から別の脂肪酸への変更、及びLPEの脂質骨格をLPCやLPGなど別の骨格に変更させるだけでその会合はほとんど認められなくなった。また、この結果と一致するように、1-18:1-LPE以外の脂質種ではTh17誘導能も全く認められないことを見出している。こうした一連の成果より1-18:1-LPEがTh17バイアスを作り出す責任脂質と位置付けている。これらの成果を論文としてまとめ、Science Immunology誌に発表を行った。また、脂質センサーRORgtと特異的脂質との会合の生理的重要性についてはRORgtの点変異クローンや点変異マウスを作製した。特にRORgtのリガンド結合ドメインの304番目のアラニンをフェニルアラニンやイソロイシンに置換することでRORgtのリガンド結合能だけでなくTh17誘導能など一連のRORgt機能がほとんど認められなくなることをマウス個体レベルで明らかにしている。現在これらの内容をまとめ論文投稿準備中である。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 1件、 査読あり 7件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 3件)
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