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2022 年度 研究成果報告書

2つの膵β細胞系列の人為的分化制御による糖尿病発症抑制の試み

研究課題

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研究課題/領域番号 20H03463
研究種目

基盤研究(B)

配分区分補助金
応募区分一般
審査区分 小区分49030:実験病理学関連
研究機関群馬大学

研究代表者

藤谷 与士夫  群馬大学, 生体調節研究所, 教授 (30433783)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード膵β細胞 / PP細胞 / 膵ラ氏島 / シングルセルRNA解析
研究成果の概要

Ppy-Creマウスを用いた細胞系譜追跡実験と単一細胞RNA解析を組み合わせることにより、β細胞は2つの系統、すなわち、Ppyを発現するβ細胞(Ppy系列β細胞)および、発現しない非Ppy系列のβ細胞に二分されることが示された。Ppy系列β細胞は、膵島の周辺部に位置し、グルコース応答性のCa2+応答性が低く、その遺伝子発現プロファイルは、PP細胞のそれに近いこと、INSのみならず、Ppy, Gcg, Somを発現するmultihormonalでβ細胞としては未熟なことが明らかとなった。さらに糖尿病状態におけるβ細胞傷害に対して、非Ppy系列のβ細胞よりも抵抗性を示すことが示唆された。

自由記述の分野

内分泌代謝学

研究成果の学術的意義や社会的意義

膵ラ氏島に存在するβ細胞はインスリン分泌を担う体内で唯一の細胞腫であり、その機能や数の低下は、現在日本の国民病のひとつとなっている糖尿病の原因となる。今回我々の研究により、他の膵内分泌細胞であるPP細胞が発現するPpy遺伝子をマーカーとして用いることにより、β細胞が大きく2種類に大別されることが明らかとなった。Ppyと関係のあるβ細胞は、関係のないβ細胞に比べて、機能的に未熟であり、血糖に応答してインスリンを分泌する能力は弱いが、傷害に強いβ細胞であることが明らかになった。このようなβ細胞の新しい多様性の発見は、糖尿病の病態の理解や新たな治療につながる可能性がある。

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公開日: 2024-01-30  

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