9種存在するヒトヘルペスウイルスは、それぞれ特徴的な病態を引き起こすが、その指向性がどのように決定されているのかはわかっていない。本研究は、ヘルペスウイルスが、それぞれの標的細胞を好む分子機構を解明することを目指した。本研究では、上皮を好むHSV-1が、細胞間を効率よく伝播する分子基盤を明らかにし、さらにウイルス増殖におけるグリセロリン脂質の寄与を明らかにした。さらに、感染サイクルが比較的遅く、T細胞を好むHHV-6Aと細胞シグナルとの相互作用を明らかにした。本研究は多彩なヘルペスウイルスが、それぞれの標的細胞に適応するために必要なウイルス-宿主相互作用の一端を明らかにしたと考えられる。
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