研究課題
基盤研究(B)
ファージそのものを単離せずに、ファージが持つ溶菌遺伝子を選別単離し、これを改変してファージセラピーに応用することを目指した。これは標的細菌上でプラークを作る(単離できる)ファージが必ずしも強い溶菌酵素をコードしているわけではないという仮説に基づくものである。データベースから188のファージ由来抗菌遺伝子を抽出し、合成、クローニング、発現、殺菌性評価を実施した。複数のリード溶菌遺伝子を選抜し、ファージセラピーへの応用を目指した研究を展開した。
合成生物学、分子遺伝学、細菌学
抗菌薬開発研究において、機能的な抗菌遺伝子を取得するための新しい手法を示すものである。本手法が真に有用なのか、汎用性があるのかを判断することは現時点ではできず、研究の進展と第三者による実施検討を待たねばならない。得られた有用抗菌遺伝子は、薬剤耐性細菌感染症や有効な抗菌薬がない難治性細菌感染症を治療・予防できる可能性がある。世界的な薬剤耐性感染症問題の解決にも資するものである。