研究課題/領域番号 |
20H03981
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
荒尾 晴惠 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (50326302)
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研究分担者 |
山本 瀬奈 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (60796522)
来村 徳信 立命館大学, 情報理工学部, 教授 (20252710)
溝口 理一郎 北陸先端科学技術大学院大学, その他, フェロー (20116106)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | がんサバイバー / 末梢神経障害 / がん看護 / オントロジー / 暗黙知 |
研究実績の概要 |
R3年度は、化学療法誘発性末梢神経障害(chemotherapy-induced peripheral neuropathy;CIPN)を体験しているがんサバイバーの暗黙知を行為分解木として可視化し、それをもとにオントロジーの構築を行うこと、さらに多様な事例に対応できる仕組みとして個別事例追加システムの開発を行うことを目指した。研究計画を所属施設の観察研究倫理審査委員会に申請し、承認を得てデータ収集に着手した。しかし、COVID-19の影響で病院の診療体制などに影響が生じ、データ収集が予定通りに進まなかった。データ収集は、2施設において、30名のCIPNを体験している患者のインタビューを終えた。そのうちオキサリプラチン投与に関連したCIPNをもつ患者26名のデータについて内容分析の手法を用いて分析し、患者の取り組みを行為分解木として記述した。 その後、CIPNをもつ患者の対処(行為分解木)を元に知識モデルのソフトウエアを作成した。対処法の検索様式の検討にあたっては、研究班でのディスカッションと患者会の協力を得てヒヤリングを実施し、結果をソフトウエア作成に反映した。 その結果、CIPNに対する対処を、Webサーバに入れてがんサバイバー自身が、取り組み例を参照するところまでの構築が行なえた。がんサバイバーがWebブラウザ上で、例えば「台所」ー「皿洗い」ー「水で洗う」といった具体的な生活場面などを表す階層的なメニューから、「冷感刺激があって触れない」といった具体的問題を選択すると、「手袋をする」や「ぬるま湯でする」等の対処法が表示される。 しかし、データ収集の遅れから、行為分解木の作成が遅れたため、患者自身が自分の取り組みを入力する個別事例追加システムの構築には至らなかった。また作成したソフトウエアの知識モデルの内容精錬や検索様式の検討が課題として残っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID-19の影響でデータ収集が計画通り進まなかった。そのため、行為分解木の作成が遅れ、システム構築に影響が出た。
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今後の研究の推進方策 |
ソフトウエアの知識モデルの内容精錬や検索様式の検討を効率よく行えるように研究班で進捗を管理しながら進める予定である。
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