研究課題
「末梢神経障害の知恵袋システム」について、医療者を対象に内容妥当性およびユーザビリティを評価した(研究①)。その後、修正を加えた「末梢神経障害の知恵袋システム(β版)」を使用し、CIPNをもつがん患者を対象にユーザビリティの評価を行った(研究②)。研究①は、医療者10名を対象に、タブレット端末でシステムを操作後、システムの知識モデルの内容妥当性とユーザビリティについて自記式質問紙で調査した。知識モデルの内容妥当性は、搭載した対処法342項目の各項目に対し、対象者2名1組とし、がんサバイバーが安全に実行できる対処かを2件法で尋ね、安全性があると回答された割合で評価した。ユーザビリティは、Web Usability Scale(WUS)で評価した。WUSは7つの評価因子3項目、計21項目から成り、各項目は5段階で評価され、高得点ほどユーザビリティが高い。WUSは7つの評価因子と各因子の平均点を算出し評価を行った。その結果、内容妥当性は、安全性があると回答された割合が81.6%(279項目)であった。WUSは7つの評価因子の平均点±SDが3.9±1.0点、各因子の平均点も全評価因子で、先行研究のユーザビリティ保証基準である平均点3.0を上回った。研究②は、β版を用いて、CIPNをもつがん患者10名を対象に、WUSによるユーザビリティ評価を行った。WUSの総合点±SDは4.0±0.8点となった。各因子の平均点も全評価因子で、先行研究のユーザビリティ保証基準である平均点3.0を上回った。また、ユーザビリティに関する自由記述のうち、利点として、対処法への共感性やシステムの使いやすさやに関する記述があった。課題としては、対処法の具体性や内容に関する記述があった。研究①と②より、本課題の目指したがんサバイバーの暗黙知の共有と生活の再構築に寄与できるシステムが開発できたと評価した。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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人工知能学会論文誌
巻: 39(2) ページ: 1-13
10.1527/tjsai.39-2_E-N78
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