研究課題/領域番号 |
20H04029
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研究機関 | 川崎医療福祉大学 |
研究代表者 |
石田 実知子 川崎医療福祉大学, 保健看護学部, 准教授 (10776008)
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研究分担者 |
片岡 浩巳 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 教授 (80398049)
國方 弘子 香川県立保健医療大学, 保健医療学部, 教授 (60336906)
中原 貴子 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 講師 (30462047)
山形 真由美 山陽学園大学, 看護学部, 准教授 (90781518)
江口 実希 神戸常盤大学, 保健科学部, 講師 (40631718)
大井 悠成 川崎医療福祉大学, 医療福祉マネジメント学部, 助教 (10882475)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 自傷 / 予防教育 / レジリエンス / 認知行動療法 / マインドフルネス |
研究実績の概要 |
2021年4月~7月にA県高校12校の生徒を対象に制御できない怒りに対する対処行動として「自分の身体の表面を切る」「相手に暴力をふるう」「他者や公共のものをこわす」「自分のからだや壁をなぐる」「相手の言葉をののしり攻撃する」「自分のからだをつねる」「自分の髪の毛や皮膚をかきむしる」の7項目について5件法(しない1点―よくする5点)で実施した。 6626名のデータに対し、自己切傷を従属変数とし激しい怒りを感じたときの対処行動項目である「相手に暴力をふるう」「他者や公共のものをこわす」「自分のからだや壁をなぐる」「相手の言葉をののしり攻撃する」「自分のからだをつねる」「自分の髪の毛や皮膚をかきむしる」の6項目を独立変数としたロジスティック回帰分析を行った。さらに標準化係数が大きい上位1項目についてROC曲線からカットオフ値を算出した。 「自分の身体の表面を切る」「相手に暴力をふるう」「他者や公共のものをこわす」「自分のからだや壁をなぐる」「相手の言葉をののしり攻撃する」「自分のからだをつねる」「自分の髪の毛や皮膚をかきむしる」の項目について「する」とした生徒の割合は、順に 1.11%、1.29%、1.17%、1.44%、1.53%、1.28%、1.38%であった。ロジスティック回帰分析の結果、「相手の言葉をののしり攻撃する」以外の項目において有意な関連を示した。その中で標準化係数上位1項目は「自分のからだをつねる」であり、R2-=0.237 ,95%CI=0.19-0.28であり、ROC分析の結果では感度83.8%,特異度78.1%,AUC=0.83,95%CI=0.804-0.848)であり、カットオフ値は2点(滅多にしない)であった。 以上から、激しい怒りを感じた時の対処の内、自分のからだをつねる行為は自己切傷に関連しており、自己切傷判定において重要となることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
自傷リスク質問票の開発に向けて、A県内高校生を対象に調査を実施し、自傷リスク質問票の素案の検証ができた。しかしながら、当初予定していたストレス負荷に対する客観的生理指標(唾液検査)に対する予備試験が、コロナ感染症増加により対象校からの同意が得られず実施できていないため、やや遅れているとした。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は、高校生に対する自傷予防に向けたレジリエンス促進プログラムの開発を行う。また、プロフラムの効果検証については、コロナの感染状況に応じて、主観的評価のみとするか客観的評価を実施するか状況に応じて評価する。客観的評価については、唾液に代わるものを検討する予定である。
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