研究課題
基盤研究(B)
手続記憶に分類される運動を言語で指導することは原理的に困難である。本研究では、運動誤差を解消しようとする無意識的かつロバストな脳機能に着目し、所望の動作とは反対方向の誤差を視覚的に与えることによって、所望の動作へと確実に誘導できる学習支援システムの構築を目指した。大自由度な歩行動作を対象に実験を行い、所望の歩行動作に誘導できること、日常の歩行動作に一部転移できる可能性があることを示した。
運動制御・学習
運動指導の現場では、ジェスチャーや言語を用いて指導することが多い。しかし、指導者が意図した通りに相手に伝わるとは限らず、常に不確実性の問題を抱えている。本研究では、言葉ではなく、脳に効果的に働きかける情報を提示することによって、運動指導を確実に行えるシステムの構築を目指したものである。運動や知覚など、脳の機能は言語化できないものが多く、これらの機能を向上させるための効果的な情報伝達方法を考案・開発することによって、国民の健康寿命の延伸や生活の質の向上を図ることができる。