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2022 年度 実績報告書

腸内細菌-脳腸相関から見た神経性やせ症の病態解明と新しい栄養療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20H04106
研究機関九州大学

研究代表者

須藤 信行  九州大学, 医学研究院, 教授 (60304812)

研究分担者 吉原 一文  九州大学, 医学研究院, 講師 (20444854)
高倉 修  九州大学, 大学病院, 講師 (40532859)
三上 克央  東海大学, 医学部, 教授 (90548504)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード神経性やせ症 / 脳腸相関 / プレバイオティクス / 腸内細菌 / ディスバイオシス
研究実績の概要

課題2で使用するケストース(KES)は、プレバイオティクスの一種であり、宿主のさまざまな機能に影響をおよぼすことが知られている。今年度は、課題2と関係するKESの行動面に及ぼす影響について動物実験にて検討した。具体的にはKESを3世代にわたって継続投与し、行動や腸内細菌にどのような影響を及ぼすかについて検討した。その結果、KESを添摂取したマウスは、KESを添加していない食餌を摂取したマウス(CON)と比較して、活動量が増加した。現在そのメカニズムを検討すべく脳内神経伝達物質を中心に解析を進めている。
課題2に関するエントリーを本格化した。具体的な概要は以下の通りである:当施設で入院治療を行うAN患者を対象とし、ケストースによる体重増加の増強効果が得られるかどうかをランダム化比較試験によって明らかにする。①10歳以上、49歳以下の女性入院患者、②構造化面接において、アメリカ精神医学会が刊行する「精神疾患の診断・統計マニュアル第5版(DSM-5)」のANの診断基準を満たす患者、③文書により同意が得られる患者、を対象とし、対象者数を各群20人、ベースラインおよびベースラインから12週間後の2点において評価を行う。主要評価項目は、エネルギー摂取量あたりの体重変化量(体重増加量/累積エネルギー摂取量)とし、副次的評価項目として質問紙による身体・精神症状評価および一般末梢血検査、腸内細菌解析、メタボローム解析を実施する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

課題2に関してはCOVID-19による影響が残っており、エントリーが想定より遅れている。具体的には行動制限や入院制限、院内クラスター等の影響によりAN患者の入院が激減し、それに伴いエントリー患者を少なくなっている現状がある。しかしながら今年度後半より状況は改善しており、次年度以降はCOVID-19前の水準に回復することが予想される。

今後の研究の推進方策

ANモデルマウスを用いた研究を進展させるとともに、課題2で使用するKESの長期摂取によって宿主にどのような影響を及ぼすかについて検討を進める。またCOVID-19の影響も終息しつつあり、課題2に関するエントリーを本格化し、着実な進展を計りたい。

  • 研究成果

    (13件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (8件)

  • [雑誌論文] Factors associated with the improvement of body image dissatisfaction of female patients with overweight and obesity during cognitive behavioral therapy.2022

    • 著者名/発表者名
      Yokoyama H, Nozaki T, Nishihara T, Sawamoto R, Komaki G, Sudo N.
    • 雑誌名

      Front Psychiatry.

      巻: 13 ページ: 1025946

    • DOI

      10.3389/fpsyt.2022.1025946.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Cardiopulmonary exercise testing for patients with anorexia nervosa: a case-control study.2022

    • 著者名/発表者名
      Yamashita M, Kawai K, Toda K, Aso C, Suematsu T, Yokoyama H, Hata T, Takakura S, Sudo N.
    • 雑誌名

      Eat Weight Disord.

      巻: 27(8) ページ: 3553-3560

    • DOI

      10.1007/s40519-022-01492-6.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 肥満症患者に対する減量・代謝改善手術後の成績に悪影響を及ぼす心理的行動的要因とその治療的介入2022

    • 著者名/発表者名
      荒木 久澄, 野崎 剛弘, 西原 智恵, 澤本 良子, 小牧 元, 須藤 信行
    • 雑誌名

      肥満研究

      巻: 28 ページ: 37-46

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 医療刑務所における神経性やせ症女性患者に関する研究(第一報) 特徴的な諸群への分類2022

    • 著者名/発表者名
      瀧井 正人, 岸本 淳司, 遠山 岳詩, 海原 美香, 須藤 信行, 迎 伸彦
    • 雑誌名

      精神神経学雑誌

      巻: 124 ページ: 601-622

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 公認心理師による拡大版認知行動療法(CBT-E)が強迫性に著効した神経性過食症の1症例2022

    • 著者名/発表者名
      永江 悠子, 高倉 修, 富岡 光直, 須藤 信行
    • 雑誌名

      日本心療内科学会誌

      巻: 26 ページ: 147-151

    • 査読あり
  • [学会発表] 1型糖尿病患者の心因性嘔吐症の病態と治療-2症例の考察-.2022

    • 著者名/発表者名
      波夛伴和,麻生千恵,横山寛明,末松孝文,戸田健太,山下真,髙倉修,須藤信行.
    • 学会等名
      第63回日本心身医学会総会ならびに学術講演会
  • [学会発表] 認知行動療法に基づく減量治療による女性肥満症患者のQOL改善に寄与する因子の検討.2022

    • 著者名/発表者名
      横山寛明,野崎剛弘,西原智恵,澤本良子,小牧元,須藤信行.
    • 学会等名
      第63回日本心身医学会総会ならびに学術講演会
  • [学会発表] 神経性やせ症患者の安全な身体活動に関する検討.2022

    • 著者名/発表者名
      山下真,河合啓介,戸田健太,麻生千恵,末松孝文,横山寛明,波夛伴和,髙倉修,須藤信行.
    • 学会等名
      第63回日本心身医学会総会ならびに学術講演会
  • [学会発表] 神経性やせ症の体重回復期における必要エネルギーと体組成に関する検討.2022

    • 著者名/発表者名
      麻生千恵,瀧井正人,髙倉修,戸田健太,山下真,波夛伴和,須藤信行.
    • 学会等名
      第63回日本心身医学会総会ならびに学術講演会
  • [学会発表] 「行動制限を用いた認知行動療法」の有効性に関する考察:神経性やせ症の2症例を通して.2022

    • 著者名/発表者名
      5.末松孝文,波夛伴和,戸田健太,麻生千恵,山下真,髙倉修,須藤信行.
    • 学会等名
      第63回日本心身医学会総会ならびに学術講演会
  • [学会発表] 福岡県における10代の摂食障害患者数の動向と病院の対応.2022

    • 著者名/発表者名
      波夛伴和,髙倉修,北島智子,権藤元治,須藤信行.
    • 学会等名
      第25回日本摂食障害学会学術集会
  • [学会発表] 女性肥満症患者に対する認知行動療法による減量効果および心理的特性の変化:過食性障害併存の有無による比較.2022

    • 著者名/発表者名
      横山寛明,野崎剛弘,西原智恵,澤本良子,小牧元,須藤信行.
    • 学会等名
      第25回日本摂食障害学会学術集会
  • [学会発表] 家族間交流の改善が有効であった、重症遷延性神経性やせ症の一例.2022

    • 著者名/発表者名
      戸田健太,山下真,藤田曜生,末松孝文,波夛伴和,髙倉修,須藤信行.
    • 学会等名
      第25回日本摂食障害学会学術集会

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公開日: 2024-12-25  

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