研究課題
健康や疾患の素因は胎児期における栄養状態によって形成される」という新しい概念であるDOHaD(Developmental Origin of Health & Disease)説が提唱され、妊娠期の栄養状態が世代を超え、その子どもの将来にも大きく影響を及ぼすことが注目されている。申請者らは誰しもが日常的に摂取する天然甘味料であるフルクトース(果糖やコーンシロップ)に着目してDOHaD研究を進めている。これまでに、フルクトース過剰摂取の母ラットから生まれた仔は成長するに従って、代謝異常や認知機能低下などの悪影響を及ぼすことを明らかにしてきたが、未だにメカニズムは不明である。本研究の目的は『母体のフルクトース過剰摂取が次世代へ及ぼす影響』を組織幹細胞に着目して解き明かし、認知機能低下や代謝異常との関連を理解することである。本研究にて異常な組織幹細胞の存在を証明し、その性質を明らかにする。本年度は昨年度と同様に下記の実験を中心に進めた。・モデル動物における組織幹細胞の解析フルクトースを摂取した母獣の仔を対象として、胎児期から発症時までの仔を継時的に解析対象とする。母獣フルクトース摂取により異常幹細胞が発生することを明らかにする。この実験を通じ仔の疾患発症の原因が異常組織幹細胞であることを証明する。仔組織での幹細胞の遺伝子発現やエピゲノム異常、分化・増殖能をはじめとした幹細胞性の基本的性質を評価を試みた。・in vitroでの幹細胞分化能の評価方法の検討in vitroで組織幹細胞を使用して、性質を評価する方法の確立を試みる。この評価方法を利用して、組織中の組織幹細胞を解析した。12.
2: おおむね順調に進展している
研究計画どおり進んでいる。
本年度もこれまでのと同様に下記の実験を中心に進める。・モデル動物における組織幹細胞の解析フルクトースを摂取した母獣の仔を対象として、胎児期から発症時までの仔を継時的に解析対象とする。この実験を通じ仔の疾患発症の原因が異常組織幹細胞であることを証明する。昨年度までに仔組織での幹細胞の遺伝子発現やエピゲノム異常、一部のフェノタイプを解析した。今後、これらデータを検証し、組織中の異常な幹細胞の存在を証明する。・in vitroでの幹細胞分化能の評価2022年度に確立した培養評価法を用いて、組織幹細胞の性質を評価する。特に、分化・増殖能やストレス耐性などに焦点をあてた解析を進める。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件)
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