研究課題/領域番号 |
20H04344
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63030:化学物質影響関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
堀江 祐範 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究グループ長 (30514591)
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研究分担者 |
加藤 晴久 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 主任研究員 (10462839)
小川 道永 国立感染症研究所, 細菌第一部, 室長 (80361624)
田部井 陽介 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (40555083)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | マイクロプラスチック / 培養細胞 / 細胞毒性 / サイトカイン |
研究成果の概要 |
マイクロプラスチックの潜在的な生体影響を評価するため、修飾や吸着物質がないマイクロプラスチックの細胞に対する影響を評価した。ポリウレタン、ポリエチレン及びポリ乳酸粒子を、ヒト腸管上皮Caco-2細胞とマクロファージ様THP=1細胞に対する影響を検討した。100μg/mlのポリウレタンおよびポリエチレン粒子を投与したとき、細胞生存率が10%程度減少した。また、ポリウレタン粒子を投与したマクロファージでは、顕著なケモカイン(IL-8)の誘導が認められた。投与した粒子は細胞に取り込まれていた。マイクロプラスチックによる細胞影響は、粒子の種類のほか、個数濃度も影響することが示唆された。
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自由記述の分野 |
毒性学、微生物学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
マイクロプラスチックの細胞影響は、粒子の化学的な種類により引き起こされる応答が異なった。マイクロプラスチックの細胞毒性は小さかったものの、顕著なサイトカインの誘導を引き起こした。また、重量濃度に加え、個数濃度が重要であることが示唆された。従来、マイクロプラスチックの生体影響では、環境中の有害物質の吸着が重要であることが提唱されていたが、マイクロプラスチックそのものにも潜在的な生体影響があることが示された。また、細胞応答は科学的な種類によって大きく異なり、化学種ごとに影響を検討する必要があった。これらの結果は、マイクロプラスチックの毒性を考える上で学術的及び社会的意義のあるものである。
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