研究課題
本研究の目的は、「コミュニティ・ポリシング」が複数の国や地域において紛争予防のプロセス、手段、および規範の形成のために機能する条件を学際的に追求することである。コミュニティ・ポリシングとは、警察と住民の参加協働によって地域内の諸問題の解決を図り、治安の改善や紛争リスクの軽減を目指す取り組みである。もともとは1960-70年代の米国で、貧困や差別に起因する治安の悪化や都市住民運動の激化への対応策として導入された経緯があるが、のちに世界各地に波及し、近年では、①国内の治安ガバナンスに深刻な問題を抱える新興民主主義国の警察改革の手段の一つとして、また、②地域紛争や内戦後の国家再建とコミュニティの秩序回復、和解のプロセスとしても注目されている。本研究はこのうち②に焦点をあて、実際に国際機関や国際NGOによって②のアプローチが導入された複数の紛争後の国や地域の事例を比較研究し、コミュニティ・ポリシングの機能する条件を探る。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。