本研究では、炎症抑制性サイトカインIL-10に着目し、脳梗塞発症3日後にIL-10を損傷脳内に持続供給することで、マウス脳梗塞で生じる歩行機能障害の回復効果を検証した。はじめに、従来知られている超分子ペプチドゲルよりも徐放効果の高いJigsaw-shaped self-assembling peptide(JigSAP)を開発し、IL-10を徐放させる技術を確立した。脳梗塞モデルマウス実験では、炎症抑制効果があることを見出したが、予想に反して、脳梗塞後の歩行機能障害を悪化させるという結果を得た。本研究成果は脳梗塞後の炎症持続が組織修復を促進する可能性を示唆した。
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