研究課題/領域番号 |
20H05706
|
研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
松本 健一 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 教授 (70219492)
|
研究分担者 |
畑 秀明 信州大学, 学術研究院工学系, 准教授 (00713041)
中村 匡秀 神戸大学, システム情報学研究科, 准教授 (30324859)
石尾 隆 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 准教授 (60452413)
門田 暁人 岡山大学, 自然科学学域, 教授 (80311786)
ラウラ ガイコビナ・クラ 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 助教 (80749094)
|
研究期間 (年度) |
2020-08-31 – 2025-03-31
|
キーワード | ソフトウェア再利用 / マイクロサービス / AI技術応用 / ブロックチェーン技術 |
研究実績の概要 |
(1)プロダクトのアップサイクリング:技術的負債の解析,コード要約 アップサイクル素材のカタログ化,アップサイクル知識ベース,コンテキストアウェア・サービス連携基盤等,マイクロサービス化によるプログラムコードの資産化につながる基盤技術の検討,開発を進めた.また,プログラムコードの再利用状況をファイル単位で収集し,開発運用者に提示することで,最新ではないプログラムコードがアップサイクルされることを防ぐ技術を開発した.この技術は,研究開発項目「外部技術情報ともリンクする品質管理」でも,今後活用する予定である. (2)人とAIの適材適所配置:人的資源の解析,スキル定量化 ソフトウェアライブラリの利用実績に基づいて開発運用者のスキルを分析する手法を開発した.また,プログラミング言語Pythonを用いたプログラミングにおける適格性(スキル習熟度レベル)を開発運用者ごとに評価するフレームワークを開発すると共に,オープンソースソフトウェア開発運用プロジェクトの新規参加者に求められる「初期貢献」の分析を行った. (3)外部技術情報ともリンクする品質管理:外部技術情報の解析,プロダクトとの紐づけ 技術的負債に関連するバグレポートを特定する技術を開発し,情報を集約・提示するシステムをGitHub Botとして実装した.また,外部技術情報ともリンクする品質管理において重要な役割を果たす「ブロックチェーン技術を用いた情報集約」の実現に向けての技術開発にも取り組んだ.具体的には,広く利用されているソフトウェア開発運用プラットフォームの一つであるGitHubが提供する新しいサービス「GitHub Sponsors」における開発運用者への資金面での支援についての解析を行った.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
3つの研究開発項目それぞれにおいて,次年度以降の研究の基盤となる知見獲得と技術開発が進展した.研究資料(ソフトウェア開発運用履歴データ)の集積がさらに進み,集積規模は,本研究課題開始時の約400万件から約1,000万件と2.5倍に達しており,データ活用(キュレーションやタグ付けを含む)における研究開発項目間での協働や情報共有が.優れた研究成果として結実している.今年度の研究成果発表は,査読付き学術論文誌への掲載12編,査読付き国際会議発表21件,そして,国際会議での招待講演1件を数える.また,研究開始からこれまでに成果発表には,IEEE Transactions of Software Engineering,IEEE Software,Empirical Software Engineering,Journal of Systems and Software,Information and Software Technology等,ソフトウェア工学分野で国際的に特に高く評価されている論文誌への掲載論文が計8編含まれる.同様に,国際会議発表にも,ICSE,MSR,ASE,ICSME,SANERでの発表が計9件含まれている.
|
今後の研究の推進方策 |
研究計画調書に示した通り,令和4年,5年度には「展開技術の開発」を,最終年度となる令和6年度には,「基盤・展開技術の実証実験」をそれぞれ実施する.ただし,新型コロナウイルス感染症の感染拡大はいずれ終息するとしても,本研究課題をとりまく環境が感染拡大以前の状態に戻るとは限らない.次の点に留意し,研究目的の着実な達成を目指す. (1)膨大な研究資料の活用・更新 (2)オンラインツール・システムのこれまで以上の導入・活用、バーチャルラボの構築 (3)独自開催する国内・国際研究集会の強化、オンライン・オンサイトのシームレス化
|